歯科医向けページ

2. 咬み合せは呼吸と嚥下に合わせていく

このページの内容


アゴ関節はいつも動いている

まず、アゴの関節の位置は固定されているものだと皆さん思っていらっしゃいますが、下のレントゲン写真(B、C)を見せるまでもなく、開口時に耳の前方部の皮膚の変化を見ると(図A)、誰でも2cmは下に下りるのが判ります。

図A
アゴの関節は耳穴の直前の位置で固定されてはいない(筋肉はアゴに付着する深部の筋肉)

参照:丸善株式会社 相磯貞和訳
   『ネッター解剖学図譜第2版』より




(B)咬んだ時の関節位置


(C)大きく開けた時の関節位置


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歯科の咬合理論は成り立たない

  (アゴは歯に合わせて咬んではいない)

10代の患者さん例
(D)・(E)のように咬んでいた患者さんが翌年、奥歯の咬合痛で来院された時が(F)・(G)です。やはりアゴバランスが右奥へズレて(左側の上下の歯が離れて)きているのが判ります。痛い歯は、他の歯が咬まなくなったので、グラグラ動く位の負担を受けています。今の若い人は骨が軟らかいので、スリ減る前に歯が動いてしまいます。

(D)

(E)


(F) 1年後

(G)


(H) さらに2年後

( I )


さらに2年後、今後は顎関節が痛いと来院されました。さらにアゴは右側にネジレ、上前歯の骨も右前方向へと変形対応しているのが判ります。

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40代患者さんの例
(J)(K)と(L)(M)は1年ぐらいでの悪化量です。(J)と(L)の比較は、上の歯の骨量ダウン、歯グキ近くの歯質の壊れ、上前歯の下の歯の形のままの磨耗進行、下前歯の捻転進行など、ダメージの大きい進行があります。正面観の(K)(M)を比較すると原因が判ります。アゴバランスの右くずれが進行し、1年でもかなり上顎骨が右前へ変形してきています。このアゴバランスの変化に合わせて就寝中に歯をスリ減らすアゴ運動を行い、咬合を合わせようとしている故のダメージだと判ります。

(J)

※クリックすると拡大します

(K)


(L) 1年後

※クリックすると拡大します

(M)


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50代患者さんの例
1年ごとの進行です。やはり右側へくずれてきています。ここまでズレる方はあきれるばかりですが、どんな内容の歯科治療をしても、数ヶ月後には咬合が違ってきているのですから、不具合が再発します。右側の歯は削っても削ってもグラグラは止まらず、骨もスリ減り続けています。

(1)

(2) 1年後


(3) 2年後

(4) 3年後


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咬み合せは毎年変わっていく

歯科大生向けページ3」の一番下の骨格図とカラーイラストを見てください。人体の方向性(アゴは右傾向)は、足の役割左右差に現代便利生活ゆえの前重心が加わり、頸椎が右前重心に対応していく結果です。
そして、さらに右前重心が進めば気道のために、前項の3人の方のようにズレている側に更にズレようという力が働き、歯科主訴程度に大きく影響します。つまり、ズレる為には歯をスリ減らしたり、片側の上下間距離を減らす為には歯がグラついていくしかないからです。あるいは、顔の中で上顎の骨がアゴに合わせて変形していく力を受け続けているからです。

 

「呼吸」とともに、眠っている時も行っている機能に「嚥下」(ゴックン運動)があります。1日平均500~800回、食事中が最も多く、睡眠中も唾液アミラーゼの内臓消毒のために1時間に5~8回行っています。(Lear.1965)
「呼吸」と「嚥下」だけは不思議な筋肉で、意識で深呼吸などもできますが、普段は無意識の不随意筋運動を行っています。
その「嚥下」が、頸椎前方位にて鼻呼吸が妨げられていて口呼吸で行う場合うっすらと開いている前歯の方を舌で塞がないとできないのです。
前項の10代、50代の方の前歯が咬んでいない咬み合せ(を参照して下さい)は、その結果です。


歯科は歯の根が極薄膜を介してアゴ骨に植わっているために、体の左右差問題が限度を越えると、最初に不具合が発生する場所と言えます。
つまり、根表間の薄膜に厚み以上の圧力が続いていると、ダメージを受けていき、その場所が虫歯・歯槽膿漏・進行して抜歯からインプラント・関節部なら顎関節症、となるのです。

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からだのために歯を壊す仕組み

体に合わせてダメージを受けていた場所が虫歯・歯槽膿漏になって治療が行われるわけですが、作製する歯の咬合には無理がかからないよう、歯科医は配慮します。つまり、その後は両隣の場所が負担を受ける状態になるのですが、すぐに症状がでる位の骨の弱さではまだないというだけです。もちろん両隣の骨が、すぐに症状が出る位弱い患者さんもいます。

治療後のアゴ運動がやはり同じ歯へ負担がかかるアゴ状態の患者さんの場合は、半~2年くらいで再び同じ歯がやられます。
また歯の治療後、体の問題の結果である場所が変化させられた為に、体の問題が他の器官に負担を与えるようになった場合でも、医科ではまだ歯科治療との関連を認識されてはいません。

御高齢ですべて自分の歯の方は、右側糸切歯向かったアゴ運動に合わせた大きな歯のスリ減りを作り、すべての歯がしっかりした状態で残っています。

参照:クインテッセンス出版株式会社 井出吉信・中沢勝宏著 「顎関節機能解剖図譜」
    (青線は加筆しました)

(1) 体全体のために頸椎が右へズレると(たとえば体は腰をこれ以上イジメルことを避けた)・・・(ページの骨格図参照下さい)
(2) アゴバランスは右へ変化しようとする。(粗食で車もない時代に育った方は骨が強く、歯がスリ減ってアゴの変化に対応し下記内容の流れはない。そもそも歯がスリ減る材質で造られた理由。)
(3) 上顎骨、鼻骨、眼窩は変形で合わせようとする
(4) 歯は移動力を受け、ここが虫歯・歯槽膿漏になる
(5) 症状を出した歯を治療すると、他の歯やアゴ関節の負担は増える(その歯の治療をしっかり咬ませたなら、腰のための逃げ場がなくなる)
(6) 歯や関節がひどく負けてきたら、頸椎は更に右へズレて体を助ける(歯を壊してでも、体全体のために頸椎はズレたかったのだから)
たとえば五十肩などの症状が急に良くなる時は、歯がグラッと悪化した時。
(7) ただし頸椎の前部は気道だから、呼吸ライン(白血球=体の抵抗力と関連)は弱くなる。(どこかを犠牲にしてでも体は生き延びるべく対応をする)
(8) だから本を正す、その方法を「歯科大生向けページ5」で解説しています(呼吸ラインについては「お問合せ例」の18回を参照下さい)

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