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7.顎関節症 ~ 現在の治療法の欠点~

このページの内容


典型的なアゴバランスの状態図


”右に向かって”が99%ですから、どなたも図の青線部分への負担が続いています。
アゴは頸椎の両脇を通る筋肉を使っており、舌の根元にある舌骨は背中の両肩甲骨とつながっているからです。
こちらのようにしてできた足首やヒザ、腰に発生した左右差の結果が、この状態なのですが、ご覧のとおり肩や首の筋肉の左右差に影響していきます。

  


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右顎関節症で長期間の治療暦 (40代)

(A)


以前にスプリント治療で、顎関節痛の軽減や体の症状の改善は一時的だけだったそうです。

右上奥歯のブリッジは毎年壊れているそうです。顔に対するアゴの右ズレや上顎骨の右低変形(A)は、やはりアゴが右前にバランスをくずしてきた結果です。

(B)

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下から診た咬合においても(B)、上奥歯の咬む面の見える量や前歯上下の開いている量の左右差で、アゴバランスの位置が確認できます。

(C)

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(B)の 43| と(C)の 4┼1 を診ると、夜間これだけ激しいバランス調整(スリ減らないとアゴは右へズレる事が出来ないから)を行っているのが判ります。
金属で作製されたブリッジ(B)は、歯のようにスリ減れる材質ではありませんから当然壊れます。

(D)


首から上のレントゲン(D)は、やはりアゴバランス右前の方の特徴的な状態です。
頸椎の下部は必ずボディの中央にあるわけですから、頭位置がボディに対して左ポジションを取っていることが判ります。
結果、頭にぶら下がる構造であるアゴは胸骨や肩甲骨とも繋がっているので、右へバランスを取ります。顎関節は、右は外側が、左は内側が負担を受ける(スリ減った形で示しました)方向になります(A')。

左足首の踝が内側に負けないような変化を与え始めてから1年後の咬合です(E)。
症状はもちろん、上顎骨の形態改善も、鼻穴に対する 3┼3アゴ位置(左奥への変化)も十分と言えます。
終了においても左奥が強く咬めるアゴバランスが重要です(F)。
3|3 の裏にはアゴ運動の角度均等化のために樹脂のベニアを張りました)
仮に右が強く当たるアゴバランスになってきても、すぐに左奥へ戻せるような調整法も身につけてもらいます。


(E)治療終了時

(F)治療終了時


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開口障害と強度の歯槽膿漏 (30代)

開口障害とは開けづらい、大きく開けられない、開ける時に痛むetcです。
歯槽膿漏は、ページの<解りやすく見せると・・・>で説明したように、アゴがズレるとズレた側だけでなく反対側も骨が壊れ始めることが基本であり、骨の量が限度を超えると歯がグラグラになるのが末期です。

(A)

(B)

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(C)

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(D)



(E)

(F)

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初診時の(A)(B)はやはりアゴの右くずれであり、その程度がひどいことは、左側の奥歯の咬む面どおしが空振りしている(B・C)ことで判ります。また歯並びが完成した年令からの問題だと判ります。初診時、アゴの左右運動をやってもらうと、左上の奥歯全てがグラグラと動き(空振りしているからよけいに真横からぶつかる)、レントゲンで歯を支える骨の高さは2mmもない(どんな歯科治療でも抜歯しかない)状態でした。


まだ30代前半だし抜歯しないで、これ以上骨を減らすことがないようなアゴ位置の戻しを行ってみました。
左側奥歯の咬合は、アゴが左へ戻ろうと変化しても止めてしまうので、左上3本をまず仮歯にしてから、足首への重心改善を始めました。(D)(E)(F)は、改善方向へアゴが変化しているのも判りますし、次に|24がこれ以上のアゴ位置改善を止めているのも判ります。
右上奥歯も右上前歯も歯の動揺度はグラグラだし、改善したアゴの位置で咬むような歯並びでないことが判り、右上の歯も全てを連いで冠せることになりました。

(G)半年後

(H)仮歯で安定確認


重心中枢への変化を続けて半年後です(G・H)。
アゴが左側を強く当てるようなバランスにようやくなってきました。
初診時は、いかに右奥へアゴが引っ張られていたかが判ります。
しばらくは安定の確認(改善量が大きいので3ヶ月以上は必要)してから、仮歯の所を作製します。

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この咬合でも顎関節症!

15年ほど前に、アゴが開きづらいとの主訴で来院された方です(I・J)。
咬み合せの悪い部分が顎関節症に関与すると思っていた頃ですから、全く合格の咬合なので驚きました
その頃はスプリント治療が主だったのですが、作りようがなく、アゴ運動に合せて奥歯を削る調整を行い、症状はある程度治まりました。

(I)

(J)


数年後、再発と体の症状も併って来院されました(K・L)。
実は、頭蓋骨に対してアゴは右が低く、上顎骨の真ん中も右側へ偏っている咬合だったのです。
(M・N)を診ると、右上は下から責められ、左上は下が離れていっていますから、右側へのアゴバランス変化は進行しています。(L)を診ると、右側というより右前バランスになってきており、上顎骨が右への変形で合わせているのが判ります。

(M)

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(N)

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(K)

(L)


仕事は体育の先生で、体の酷使の左右差は激しいそうで、歩く時の足首へ、体の重心が右前へくずれている故のネジレ力が大きく加わるようになっていました。
重心問題が年々確実に進み、アゴはどんどん右前へズレたいのに、咬合面積が良すぎて(M・N)の状態が目一杯であり、結果、右前が異常な強さで当たるアゴバランスだった為に、就寝時のスリ減り運動(O・P)を行っても足りず、顎関節がうまく回転できなくなったという状況でした。

(O)

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(P)

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しっかり治すとしたら、足首への重心改善だけで左奥が面積多く咬む(Nの上下の歯がしっかり咬む)ように戻っていくでしょう。
歯科治療は戻ったアゴ位置で、大きくスリ減った3|3(O・P)に何かを盛る程度だと思います。

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咬み合わせがズレて発症するか?

「噛み合わせがおかしくなって体が影響を受けた」と論じる本・歯科医・患者さんが相変わらず多いですが、この方達の歯の状況は、見て判るように噛み合わせどころではない左右差があります。

右下5本欠損

右1本だけの咬合


しかし、歯の状況以外に問題がない方達は、歯は更にダメージを受けていきますが、歯の状況以外は力があるのだから、それ以外へは発展しません。仮に、片側を1mm低くしたとします。当然、体は影響を受けますが、当初の不具合だけで対応していきます。歯の状況以外は力があるわけですから。
 参考までに、座った姿勢で軽くカチカチ噛んで左奥歯の当たる強さをチェックして下さい。次に立って、両足の特に左カカトにしっかり重みを乗せてカチカチしてみて下さい。座った時より強く当たるようならば、ページのイメージ②図の重心になっています。その場合は、寝た姿勢ではもっと右の(前)歯が強く当たるはずです。歯の状況に関係なく噛み合せは変化するのです。

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